空中、宇宙:Fishmans
フィッシュマンズを聞いていると「日本はこんなに美しい場所だったっけ?」と立ち止まったり、電線がはりめぐらされる空の向こうの、太陽の光、雨と涙のしずくを感じる。
でも初めてフィッシュマンズを聞いた時は、生々しい音世界が気持ち悪くてあまり好きになれなかった。ふらふらとたゆたうボーカルに、耳のピントを合わせる心の余裕がなかった。今は余裕があるから聴けるけどね。
フィッシュマンズの音楽をじっくり聴かせた上で、「嫌い」って反応されたら仕方がない。これはクリムトやアンディ・ウォーホルを「嫌い」と言うのに似てる。美術品、あるいは至上主義。
「単純に自分の聴きたいものを作ってるから、
素朴にリスナーとして聴いてるっていうか。
なんかの肥やしにしようとかじゃなく」
(佐藤伸治:1998年6月のインタビュー)
newswave on line (articles edition) 音楽評論家・小野島 大氏のブログ
空中の2曲目・Go Go Round This World! のくるくる回るようなリズム感がツボに入ったので、Go Go Round This World! のマキシシングル(1998年の再販)を購入。QuickTime 製おまけビデオが付属。
5人時代のフィッシュマンズ、全然知らない!若い!
表題曲はロックテイストの明るいポップソング。バンドメンバーの仲良し連帯感と、バンド活動過渡期の勢いが漂う。秋の陽射しのような温かい音。
一方、リマスタリングされた Go Go! は、冬の澄み切った青空と寒さを感じる。
高音部の増幅が大きくて美しいけど切ない印象。でも生き生きとしたリズム感は損なわれてない。
初アルバム「Chappie,Don't Cry」から、最後のオリジナルアルバム「宇宙 日本 世田谷」までの幅広い選曲にもかかわらず、聴き手に違和感を感じさせない仕事は素晴らしい。それがプロの仕事と言われればそうなんだけどさ、ミュージシャンが関わらないベスト盤が多すぎてがっかりするからさ。
この絶妙なリマスタリングをしたのは誰だ?と調べたら、Ted Jensen 氏の経歴を発見。ああ、なるほど。納得。世界中にファンがいるミュージシャンのアルバムがずらり と並ぶ中、オ○ンジ○ンジの名前を発見して気まずくなる。
Posted at 2005/05/23 (Mon) 16:11 in 音楽 | WriteBacks (0)

