ねじまき鳥クロニクル、村上春樹、河合隼雄に会いにいく
村上春樹、河合隼雄に会いにいくという対談集では、頻繁にねじまき鳥クロニクルが引き合いに出される。話の筋をほとんど忘れていたので、段ボールの中から文庫本を引っ張り出して再読。
猫の失踪、謎の占い師、奇妙な姉妹がでてきて…とシュールでコケティッシュな春樹ワールドに進むのかと思いきや、1巻の終わり近くで残虐な暴力が姿を現す。ノモンハンの残虐な皮剥ぎ描写で読み進める気が失せた人、いませんか?(たぶんいる)
ねじまき鳥クロニクルの重要なメタファー(要素)である暴力について、村上氏は「どうして暴力なんだろう」と描写した理由を見出せないことを打ち明ける。この疑問に対して、日本を代表する心理学者の河合先生が解説を試みている。
とにかく現代の日本のわれわれは和という点にこだわりすぎたのと、精神と肉体の乖離のために、暴力に関してはすごい抑圧を持っているのです。だから、作品の中で突発してくるのではないか、というふうにぼくは思っているのです。
(引用元:村上春樹、河合隼雄に会いにいく198ページ目)
他にもねじまき鳥クロニクルを軸にした興味深い対談のテーマがたくさんあります。ノモンハン、歴史、暴力、夫婦、そして井戸。特に井戸についての対話は濃い。深く考えることについて「掘り下げる」という表現がありますが、徹底的に井戸を掘り下げていく対談の流れは圧巻です。この対談を踏まえたか否かで、ねじまき鳥クロニクルの読み方が359度変わる。
でたらめな文章ですが、ねじまき鳥クロニクルと村上春樹、河合隼雄に会いにいくはぜひセットで読んでいただくのがおすすめです。
Posted at 2007/02/12 (Mon) 02:03 in 本 | WriteBacks (0)

