「この人、痴漢!」と言われたら 粟野仁雄

4121503163 副題は「冤罪はある日突然あなたを襲う」。冤罪が起こる仕組みと、もしも誤認逮捕されそうになったらどうするか、について書かれた本。性犯罪の冤罪だけでなく、交通事故、窃盗、殺人事件の冤罪も取り上げてます。あと裁判員制度の問題点にも少々触れている。

第1章は冤罪事件の概要と、捜査と裁判の行方。
誤認逮捕で人生を変えられてしまった人へのインタビューが中心。
第2章は警察、検察、裁判、マスコミの体質批判。
第3章は冤罪で逮捕されないための知識と実践対策。
第4章は冤罪を防ぐ視点から見た裁判員制度の問題点の指摘など。

第1章〜2章を読む限り「誤認逮捕は警察で身の潔白を説明すればわかってもらえるはず」という思い込みのようなものが崩れた。警察は逮捕した人物は絶対有罪だと決めつけてかかり、そのための証拠はねつ造してでも裁判に提出し、裁判官は警察の味方になって証拠の正当性を認めようとする…という冤罪事件が成り立つ図式が説明されてます。

そこで「逮捕されない・させずに冤罪から身を守る」ための、不当逮捕をさせないための保身方法を第3章で紹介しています。題材は痴漢冤罪だけど、万引きなど他の犯罪でも応用できると思う。それだけに本のタイトルだけ見た女性が、自分には関係ないよ!とスルーしてしまうのは惜しい。

電車の中で痴漢扱いされた時、話し合うつもりで駅の事務室に行くのはだめだそうです。その場に警察官がいなくても、痴漢被害者に駅員の元へ連れられたら、その時点で「私人逮捕」による現行犯逮捕が成立。これこわい。

刑事訴訟法は警官や公務員でない一般市民による逮捕を認めています。話し合いのつもりで、痴漢被害者の言うことを聞いて場所を移動するのは危険。自分は痴漢をしてないのに痴漢扱いされたら、その場で冷静に話し合うのが大切。

私人逮捕をさせてしまうと「私が犯罪をしました」と認めてしまうことになるので、無実の罪で私人逮捕をさせないために何をすべきか?という視点で、犯罪者として見つめる被害者と駅員への対応方法が紹介されてます。

もしも逮捕されてしまった場合の対応法や、家や会社に警察官が来た時のシミュレーションも役に立つ。冷やかし気分でもいいから一度は読んでみて。

「この人、痴漢!」と言われたら 冤罪はある日突然あなたを襲う (中公新書ラクレ)

Posted at 2009/05/30 (Sat) 16:59 in | WriteBacks (2)

煩悩リセット稽古帖:小池龍之介

Day 032

「煩悩」はそれ以外のことが何も考えられなくなる妄想から、集中力を邪魔するどうでもいい思考まで含みます。どうでもいい思考というのは、うどんを食べてる最中に「GONさん家の猫かわいいな…フフ」とその場で見てないものを急に思い出すとか、まだ取りかかってない仕事を「次の仕事やだなーやりたくないなー」と心配することとか。

イライラ・そわそわ・不安の原因になるストレスすべてが「煩悩」。その煩悩の濃度を薄めて心穏やかに暮らすお手本を仏道(仏教の心理トレーニング)から学ぶ本です。

自己啓発コーナーの脳科学本や手っ取り早くスキルを身につける効率本、勉強本と違うところは、頭の中の掃除ができること。

自己啓発本は読者に新しいルールを課して「こうすると素敵なあなたに!」と提案する流れが多い。でも自分の場合、ルールを覚えられなくて挫折するのですよ。頭の中味が1+2+3+5+2な足し算式に増殖して扱いきれなくなる。容量オーバー。結局「もういいよ」と投げ捨てるわけですが。

煩悩リセット稽古帖の新しいルールの多くは、煩悩を頭の中から追い出すことからスタートします。煩悩=ストレスの掃除に通じるので、やってみると心が軽くなるのです。インプットする情報量の中に引き算が入る。1+2+1-1-2みたいな。

かといってルールの実践方法は難しくなく、例えば不安の解消だったら、

「不安になっちゃダメ」と否定するのではなく、自分自身が不安になっている有り様を認めますこと。そのためにはむしろ、いっそのこと「不安、不安、不安、不安……」と、繰り返し唱えてみるとよろしいでしょう。

すると、「あー、自分は不安になって自分で自分を苦しめていたんだなあ」と、心が客観的に理解してくれます。そしてはじめて、心がその状態をほんとうに治すべきだと学習して、自然に不安を解消してくれるのです。

(31ページ目から引用)

これだけのことでも、やってみると変わる。

ストレスを持て余してる時に読めば役に立つし、暇つぶしにぱらぱらめくって4コマ漫画を眺めても楽しい。ネコッコかわいいなぁ(ここ大事

» 煩悩リセット稽古帖(amazonへ)

Posted at 2009/02/05 (Thu) 00:44 in | WriteBacks (0)

「自分」から自由になる沈黙入門:小池龍之介

久しぶりな本の感想。「自分」から自由になる沈黙入門

「自分」から自由になる沈黙入門

この本で語られる「沈黙」は、人前で口をつぐむ態度にとどまらず、口がおしゃべりになる元凶・自己顕示欲の濃度を薄くしましょうよ、という意味です。

著者の小池龍之介さんは住職業の傍ら、家出空間というサイトでエッセイを公開したり、現代風味の精進料理と非日常空間をふるまうカフェを主催してた人。お寺や仏教と縁が薄い核家族家庭の若者との接触が多いせいか、主題の切り口に共感できるところが多いです。

例えば一章目「沈黙のススメ」では、大人も子供も学校も会社も「オンリーワンな私の価値を理解して欲しいのよねー」な空気に支配されてるけど、おしゃべりの中で自己主張をひけらかすのは美しくないし下品だ。という指摘をしてます。

それが伝わったからといって、誰が嬉しい気持ちになるわけでもない内容なら、そんな考えは葬ってしまえばいいだけの話であります。「本当に思っていること」を、相手に伝える必要なんかマッタクナイ。

引用元:「自分」から自由になる沈黙入門 32ページ

考えそのものを葬ってしまえ!というのはなげやりな主張ではないです。胸の奥に秘めた考えは、仏道に照らし合わせると時間が経つにつれて毒を放ってしまう法則を説明したり(業、カルマ)、毒をなかったことにするロジックを解説するなどしています。

本の後半は実際にありそうなシチュエーションを提示しながら、その解決法を紹介していきます。

「何かして差し上げたのに、感謝を返してもらえぬとき」のイライラをなくす方法。「相手に悪いことを言ってしまったかな、と気になり給ひて、会話の途中で気まづくなったとき。」の心の切り替え方、など。ここらへんの切り口は洒脱でほれぼれする。

まぁ、読んだ後「あの時あんなこと言わなければよかったなー」と後悔して落ち込むのですが、同じ後悔を繰り返さなければいいかと思い直したり、ぐっすり眠れる集中法を試して感動したり(出入息念) 、得られる情報の引き出しがたくさんあって長く楽しめる一冊。

年内には沈黙入門よりもう一歩踏み込んだ領域の本と、家出空間のブログで人気だった4コママンガの本が出るそうです。これもたのしみー。

Posted at 2008/05/31 (Sat) 22:58 in | WriteBacks (0)

くるねこ

猫漫画を買いました。くるねこ
昨日と今日、1時間に1回めくってる。中毒。

「悩んだって迷ったって/どうせ拾うのだから/サッサと拾う人」な飼い主さんと猫の話です。

原作ブログ:くるねこ大和

単行本:
くるねこ

みほん:魔法のじゅうたん

猫と暮らしてる人、暮らしたことがある人には絶対おもしろい。飼ったことない人にはウェルカム猫世界。ご飯の世話、トイレ、病院、薬、猫の仕草とか、「あーそうそう、そうなのよねー」とニヤニヤしながら我が身と我が猫を振り返る。

早く次の巻が読みたいです。

Posted at 2008/04/25 (Fri) 00:45 in | WriteBacks (0)

国境の南、太陽の西:村上春樹

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

  • 出版:1992年
  • 前後の小説作品:TVピープル(1990年・短編集)
    ねじまき鳥クロニクル(1994〜95年・全3巻)
  • 舞台:1988年
  • 主人公:37歳男。1951年生まれ。青山でジャズバーを2軒経営。
  • あらすじ:主人公が、恋心を抱いていた足の不自由な幼なじみと20年ぶりに再会する。

発売直後にハードカバーで買った当時は読み進めるのがしんどくて、一度読んだきりになってた小説。30代後半の大人が抱く後悔や未練についての物語だから、10代〜20代の学生には実感がなくてあまり面白くないと思う。

主人公の人生や仕事を見続けるうちに、自分のそれについて考えてしまう、鏡のような側面がある。後戻りの出来ない悲しみと閉塞感に覆われる物語なので、楽しい気分転換がしたい人には重たいです。

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

Posted at 2007/12/01 (Sat) 16:25 in | WriteBacks (0)

Page 1/8: 1 2 3 4 5 6 7 8 »